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ＯＪＴだけでは新人は育たない～研修とＯＪＴを組み合わせた、効果的な人材育成の仕組みづくり
これまで多くの企業では、新入社員や若手社員の育成をＯＪＴに大きく依存してきました。しかし、働き方の多様化や職場環境の変化に伴い、ＯＪＴだけでは十分な人材育成が難しくなってきています。本コラムでは、これからの人材育成に求められる考え方と具体的な取り組みについてご紹介します。
ＯＪＴの限界と課題が育成のばらつきをもたらす
ＯＪＴは実務を通じて学べる即効性の高い育成手法ですが、以下のような課題があります。
- 指導者の力量や忙しさに左右されやすい
- 教える内容が属人的になりやすい
- 基礎知識や理論を体系的に学ぶ機会が不足する
特に近年は人員に余裕がなく、育成担当者自身がＯＪＴに十分な時間を割けないケースも目立ちます。その結果、育成の質にばらつきが生じ、本人の成長実感が得られにくくなっています。
ＯＪＴの弱点を補うには体系的な研修が有効
ＯＪＴの弱点を補うためには、研修を組み合わせた体系的な人材育成が有効です。研修を取り入れることで以下の効果が期待できます。
- 基礎知識の標準化
現場任せのＯＪＴだけでは、指導者によって伝える内容にばらつきが出やすいものです。体系的な研修を行うことで、全社員が同じ基準や土台を共有でき、均質な知識レベルが担保されます。 - 理論と実務の融合
座学で得た理論を現場のＯＪＴで実際に試すことで、知識が机上の空論に終わらず、実務に直結した学びとなります。理論と実践を往復することで、理解が深まり応用力が身につきます。 - 社員の安心感の向上
研修という形で体系立てて学べる環境があることで、「自分は着実に成長している」という実感を得やすくなります。この安心感はモチベーションの維持や離職防止にもつながります。
例えば、新入社員研修ではビジネスマナーやコミュニケーションの基礎を習得し、ＯＪＴではそれを実際の職場で試す。この繰り返しが、早期戦力化と定着につながります。
現場で実践できる３つの工夫～見える化・習慣化・定着支援
人材育成には、研修とＯＪＴを組み合わせた仕組みづくりが効果的です。現場でできる工夫としては、以下が挙げられます。
１．育成計画の見える化
あらかじめ育成のスケジュールや到達すべき目標を明示することで、指導者と学ぶ側の双方が「今どこにいるのか」「次に何をすべきか」を共有できます。ゴールまでの道筋が見えていることは、学び続けるモチベーションの維持にもつながります。
実践的な取り組み方法：
- 個別育成シートの作成：新入社員一人ひとりに合わせて、３か月・６か月・１年後の目標を設定し、月ごとの達成項目を明記したシートを作成します
- メンター制度との連携：直属の上司とは別に、先輩社員をメンターとして配置し、育成計画の進捗を複数の視点で支援する体制を構築します
２．フィードバックの習慣化
ＯＪＴの現場で業務を経験した後、その都度振り返りの時間を設けることで、成果や改善点を具体的に共有できます。フィードバックが日常的に行われることで、学びが点ではなく線としてつながり、継続的な成長が促されます。
効果的なフィードバック手法：
- 即時フィードバックの実践：業務終了直後の５分間で「良かった点３つ、改善点１つ」を必ず伝える習慣をつけ、記憶が鮮明なうちに学びを定着させます
- セルフフィードバックの促進：本人にまず自己評価をしてもらい、その後で指導者がコメントすることで、自己省察力と改善意識を高めます
３．学びの定着支援
研修やＯＪＴで得た知識は、そのままでは忘れてしまう可能性があります。そこでｅラーニングや小テストを活用し、学んだ内容を繰り返し確認できる仕組みを取り入れることが記憶の定着に必要です。こうした復習の機会があることで、知識は一過性ではなく実務に活かせる確かな力となります。
継続的な学習支援の仕組み：
- ピアラーニングの推進：同期や同じ部署のメンバー同士で学んだ内容を教え合う機会を設け、教える側も学ぶ側も理解が深まる相乗効果を生み出します
- 成果発表会の開催：四半期ごとに学習成果や業務改善事例を発表する場を設け、学びのアウトプットと他者からの学びの機会を創出します
このように「学ぶ・試す・振り返る」のサイクルを繰り返すことが、持続的な成長につながります。
Leaf Lightning機能一覧
インソースでは、ＯＪＴを補完し、研修と組み合わせた効果的な人材育成を支援するためのツールである、クラウド型教育管理システム「Leaf Lightning」をご用意しています。
たとえば、最適な教材を提示する「おすすめコンテンツ機能」は、学ぶべき内容を迷わず選べる環境を整えます。また、「コースマップ機能」により学習の全体像が可視化され、社員が自ら成長の道筋を描くことが可能です。こうした機能を活かすことで、研修とＯＪＴが互いに補完し合う、人材育成の理想的な形が実現できるのです。
ＯＪＴと研修を効果的に組み合わせ、社員の成長を着実に支援する仕組みづくりに、ぜひお役立てください。
セットでおすすめの研修・サービス
ＯＪＴ研修～部下・後輩指導の基本スキルを習得する（２０２５年版）
部下・後輩の世代の傾向やキャリア観への理解を深め、職場全体を巻き込み計画的に指導・育成する方法を学ぶ研修です。
部下・後輩が自ら考え行動できるようになるためには、ＯＪＴ担当者による用意周到な準備、粘り強く何度も同じ指導を継続し続けること、効率よく計算的に育成を進捗させる力が不可欠です。
（経験者向け）ＯＪＴ指導者研修～育成方法を振り返り、フィードバック力を高める
ＯＪＴ担当者として、指導の振り返りと、後輩との関係構築・フィードバックスキルの向上に焦点を当てたフォローアップ研修です。
後輩の自信を高める質問の仕方、後輩を動機づけるための効果的なほめ方、フィードバックに必要な要素を習得し、より高い指導スキルを身につけていただきます。
中途採用社員を即戦力にするためのＯＪＴ（スライド付き）
中途採用社員のモチベーションを向上させ、高いパフォーマンスを発揮できる状態にするためのＯＪＴ手法についてのｅラーニングです。
タイムリーで質の高いフィードバックを取り入れることで不安を取り除き、自信をもって仕事に取り組めるようにすることで、中途採用社員を即戦力化します。
